●第2話で鈴木彩香(川上ジュリア)は旧病棟に患者のカルテを取りにいきました。旧病棟に行けば何かあるはずなのに第3話になっても続きがまったく出てきませんでした。最初は「おかしいなあ、編集を間違えたのかな?深夜ドラマはしょうがねえなあ」と思っていました。
しかし勘違いでした。第7話になってようやく旧病棟での出来事(第2話の続き)が出てきました。鈴木彩香は第2話で旧病棟に行ったときに悪霊に取り憑かれていました(編集を間違えたのではなくて故意に続きのシーンを伏せていた)。
●公民館で尾神琉奈(夏帆)が激しい発作を起こしたとき、突然ライトが点滅したり、突然衝立が倒れたり、不可解な現象が起きました。その現場にいて激しく痙攣する琉奈や同時に起きた超常現象を目の当たりにしていた隈川朝陽(大和田健介)と斑目和也(鈴木一真)は、鈴木彩香に悪霊が取り憑いててるという琉奈の指摘を信じないわけにはいきませんでした。
旧病棟に行ったとき、琉奈は全力で逃げたため悪霊に取り憑かれるのを免れることができました。母から貰った御守りが琉奈を守ってくれたのかもしれません。悪霊が取り憑いたのは次に旧病棟にやってきた鈴木彩香でした。
鈴木彩香は無防備でした。簡単に悪霊に取り憑かれてしまいました。彩香は旧病棟の最上階の部屋で気を失っていました。最上階の部屋で何があったのか、そのときの記憶を彩香は失っていました。
琉奈によれば、悪霊というのは琉奈のように霊感の強い人間には取り憑かなくても波長を合わせて利用できるらしいです。悪霊は琉奈を利用して封印の扉を開けてしまいました。さらに琉奈が体験した恐怖を次々と再現していきました。過去に見た幽霊を琉奈が隈川病院に引き連れてきたかのように見えたのは、すべて悪霊(キヌという名の女の霊)の仕業でした。
●その日は満月でした。琉奈によれば、悪霊は満月の夜にその霊能力が最もパワーアップするらしいです。悪霊に取り憑かれてしまった鈴木彩香が今どうしているか……琉奈たちは急いで隈川病院に向うことにしました。
隈川病院では、主任ナースの木藤純子(森脇英理子)も鈴木彩香を捜していました。どこへ行ったのか数時間前から彩香の行方がわからなくなっていました。
霊感の強い琉奈には悪霊に取り憑かれて苦しんでいる彩香の姿が見えました。そしてその場所もわかりました。隈川病院の地下(霊安室?)です。
琉奈が階段を駆け下りて駆けつけたとき、彩香はすでに彩香ではなくなっていました。薄暗い地下室で、髪の毛を振り乱して獣のように咆哮する彩香の姿は、まさに黒い歯の女そのものでした。
黒い歯の女と化した彩香は猛獣のように琉奈に襲いかかってきました。このとき琉奈を守ってくれたのはまたしても母から貰った御守りでした。何が起きたのか、琉奈と彩香はその場に倒れて気を失ってしまいました。
●意識を取り戻したとき、鈴木彩香はすでに正気に戻っていました。
「最近……記憶が抜け落ちることが多かったんです。それに上顎に変な歯が生えてきて。最初は親知らずかと思ったんですけど、鏡で見たら色が黒くて。それにそのころから、尾神さんが恐ろしい存在に思えて、ひどく憎く思えて……尾神さんごめんなさい。どうしてあたしこんなことに……」
琉奈や彩香を旧病棟に行かせたのは主任ナースの木藤純子です。木藤純子は過去に旧病棟で何度も怖い経験をしていました。そのため旧病棟に用事があるときは誰かほかの人に行かせて絶対に自分で行こうとはしませんでした。木藤純子は幽霊など信じないリアリストだと思っていましたが、本当は一番幽霊をおっかながっている臆病な人でした。琉奈や彩香に厳しいことを言っていたのは、自分に言い聞かせていたんですね。
●隈川病院の御曹司・隈川朝陽は尾神琉奈のことは「琉奈」と下の名前で呼びます。しかもフレンドリーに呼び捨てです。ところが鈴木彩香のことは「鈴木さん」と、上の名前(苗字)によそよそしく「さん」をつけて呼びます。琉奈も彩香も同じ隈川病院のナースです。朝陽くん、差別(えこひいき?)はいかんよ。
「これでひと安心だ。今夜のことですべて終わり」
朝陽は琉奈や彩香の不安を解消するために、彩香に取り憑いた悪霊を琉奈が追い払ったことで問題はすべて解決したと努めて陽気に宣言しました。しかし問題が解決したわけではないことは朝陽が一番良く知っていました。
朝陽は鈴木彩香の上顎から抜け落ちた牙のような黒い歯を隠し持っていました。彩香に憑依していた黒い歯の女・キヌとはいったい何者なのか、その謎を解かない限り隈川病院の怪異現象に終わりはありません。
問題を解決するためには、キヌという女の正体を突き止めて、この世で迷っているキヌの霊を成仏させてあげなくてはなりません……朝陽と斑目にそれができるでしょうか。
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主演・夏帆の深夜ドラマ「悪霊病棟」第7話を観る
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