2016年の冬ドラマは、恐ろしいドラマから笑えるドラマまで、見ごたえのあるドラマが多いです。中でもイチオシなのが「家族ノカタチ」です。視聴率が冴えなくてもこのドラマは面白いです。
39歳独身の永里大介(香取慎吾)はプライバシーを重んじる絶対的個人主義者です。他人に干渉されることを極度に嫌います。一見自己中の性悪男みたいですが、本当はそんなに悪い人ではありません。自分だけの"城"のつもりで購入したマンションに転がり込んできたダメ親父の陽三(西田敏行)を追い出さずに居候させてあげているし、空気が読めないバカ女の莉奈(水原希子)をツーリングに誘ってあげたりもしています。大介は莉奈に関してはまったく下心がありません。恋愛感情ゼロです。ただ莉奈があまりにもピントがずれているので気の毒になってツーリングに連れて行ってあげたまでです。莉奈が変に誤解すると面倒なことになりそうですが、誤解するほうが悪いです。
大介の父親の陽三は最愛の妻・美佐代(浅茅陽子)に先立たれ、最近になって恵(水野美紀)という変な女と再婚しました。陽三70歳、恵41歳です。恵も再婚で、恵には浩太(髙田彪我)という中学生の連れ子がいました。
恵は浩太を陽三に預けたままいなくなってしまいました。どうやら恵が年の離れた陽三と結婚したのは、連れ子の浩太を陽三に押し付けて身軽になりたかったからみたいです。なんて女だ。
学校に通っていなかった浩太を書類をそろえていろいろ骨折って学校に通えるようにしてあげたのは大介でした。大介ってけっこういいやつです。
浩太は寡黙な少年でめったにしやべりません。それでも信頼しきった目で大介を見ています。大介のおかげで養護施設に入ることなく学校に通えるようになったのがよほど嬉しかったみたいです。浩太は大介がいい奴だということを見抜いています。
浩太には同年代の友達がいません。周りにいるのはクセのある変な大人ばかりです。それでも最近は笑顔を見せるとが多くなりました。少ししゃべるようにもなりました。浩太の満ち足りた感じの笑顔を見ているとなんだかこちらまで嬉しくなってきます。このドラマの陰の主役は浩太です。